日経平均は権利落ちで続落、配当分を除けば小幅安
恐怖と強欲指数は日本39・米国32(9月30日朝)|Fear & Greed Index Japan
日米差(日本−米国):+7(日本株が上) 日米差+7は、8月12日以降で日本株がもっとも大きく米国株を上回った水準です。
29日(火)は、3月・9月期決算企業の配当の権利落ち日でした。日経平均は米国株安と配当落ちの影響で売られ、一時は1,100円を超えて下げましたが、取引終了にかけて大きく値を戻し、396円安の65,481円27銭で終えました。配当落ちで理論的に下がる分を差し引くと、実質的な下げは小幅だったことになります。夜間の米国市場は、長期金利の高止まりと弱い経済指標を受けて続落しました。この記事では29日の日米の市場を整理し、四半期末のきょう30日の見どころをまとめます。
掲載日:2026年9月30日(水)朝|日本株の指数は29日の終値、米国株の指数は29日の米国市場の終値にもとづく値です。
この記事のポイント
- 29日の日経平均は396円35銭安の65,481円27銭で続落。配当落ち(300〜380円程度とされる)を除けば小幅な下げでした。
- 一時は1,178円安の64,699円まで売られた後、取引終了にかけて780円ほど値を戻しました。
- 米国市場はダウ平均が131ドル安。米10年債利回りは一時5.29%と2007年6月以来の高水準をつけました。
- 当サイトの指数は日本39・米国32。日米差は+7に広がりました。
① 29日(火)の日本市場:一時1,178円安から戻す
表1:9月29日の日本市場の主な数値
| 指標 | 水準 | メモ |
|---|---|---|
| 日経平均(始値) | 65,557.99円 | 前日比−319.63円 |
| 日経平均(安値) | 64,699.49円 | 前日比−1,178.13円(午後) |
| 日経平均(終値) | 65,481.27円 | −396.35円(−0.60%)。続落 |
| 安値から終値までの戻り | 781.78円 | 安値と終値からの算出。終値が午後の高値 |
| TOPIX(終値) | 4,041.13 | −70.87(−1.72%) |
| 東証プライムの売買代金 | 約7兆3,200億円 | 概算 |
| 値上がりした業種 | 33業種中1業種 | 電気機器のみ(OANDA) |
株式新聞Webによると、28日の米国市場で米国とイランの停戦への期待が後退したことに加え、配当の権利落ちの影響もあり、東京市場は軟調に始まりました。半導体株の比重が高い韓国の株価指数(KOSPI)が続落したことも意識されたといいます。OANDAの市況概況によると、日経平均は午後に一時6万5000円を割り込み、64,600円台まで下げたところで売りが一巡し、終盤にかけて大きく値を戻して、その日の午後の高値で取引を終えました。
② 配当落ちの分を除いて見ると
権利落ち日の日経平均は、配当を受け取る権利がなくなった分だけ、理論的に値下がりします。この下げは企業の業績とは関係がありません。報道で示された配当落ちの影響額をもとに、29日の値動きを分けて見ると次のようになります。
表2:29日の下げと配当落ちの関係
| 項目 | 日経平均への影響 | 出典・計算 |
|---|---|---|
| 29日の日経平均の下げ幅 | −396.35円 | 株探ニュース |
| 配当落ちの影響(試算) | 300円あまり〜380円程度 | 日本経済新聞(300円あまり)/大手証券の指摘(380円程度) |
| 配当落ちを除いた実質的な下げ(目安) | 100円未満(約16〜96円) | 上の2つからの計算 |
| 参考:2025年9月の権利落ち日 | −311.24円(配当落ちは約300円) | 日本経済新聞 |
一方で、TOPIXは1.72%下がり、日経平均の0.60%より下げが大きくなりました。東証の33業種で値上がりしたのは電気機器だけで、電気機器の比重が高い日経平均のほうが下げが小さかったとみられます。市場全体では、配当落ち以外の売りも広く出ていたことになります。
③ 29日(火)の米国市場:弱い指標と長期金利の高止まり
表3:29日の米国市場
| 項目 | 29日(米国時間) | メモ |
|---|---|---|
| ダウ平均 | 51,349.92ドル −131.59 | 続落 |
| ナスダック総合 | 26,797.54 −22.84 | 続落 |
| 米10年債利回り | 5.23%(横ばい) | 一時5.29%と2007年6月以来の高水準(OANDA) |
| 原油(WTI、11月限) | 89.38ドル −3.22 | サウジの主要パイプラインが半分復旧(フィスコ) |
| ドル円 | 157.29円 | OANDA |
| シカゴ日経平均先物(清算値) | 66,305円 | 大阪の日中取引比+520円(フィスコ) |
表4:29日に発表された米国の主な経済指標
| 米国の経済指標 | 結果 | 前回 |
|---|---|---|
| 9月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) | 81.9 | 88.6(改定値) |
| 8月の求人件数(JOLTS) | 707.9万件 | 733.5万件(改定値) |
フィスコによると、原油安で安心感が広がった一方、FOMCの参加者から追加利上げを支持する発言が出て長期金利が上がり、株価の重しになりました。消費者信頼感指数と求人件数がともに前回から下がったことも、相場を押し下げました。ただ、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、年内にもう1回の利上げが適切になる可能性に触れつつ、急いで動く必要はないとの考えを示したとOANDAは伝えています。
④ 当サイトの指数:日本39、米国32
28日(月)の記事で示した計算では、29日に「中立」(45)に届くには素値が約54以上必要でした。実際の29日の素値は約35で、表示される指数は39と「恐怖」の区分にとどまりました。素値は25日の約43から、28日の約38、29日の約35と、2日続けて下がっています。
表5:30日の素値と、表示される指数の関係
| 30日の素値 | 30日に表示される指数(3営業日の平均) | 区分 |
|---|---|---|
| 20 | 31 | 恐怖 |
| 30 | 34 | 恐怖 |
| 35 | 36 | 恐怖 |
| 45 | 39 | 恐怖 |
| 61 | 45 | 中立 |
| 70 | 48 | 中立 |
30日の指数は、28日・29日・30日の3営業日の平均です。「中立」に届くには、30日の素値が約61以上必要な計算で、前日の「約54」より条件が厳しくなりました。直近の素値が下がってきたためです。
表6:日本株の指数を構成する6指標(29日終値時点)
| 指標 | 29日の実測値 | 過去1年の中央値 | 過去1年の範囲 | 点数(3日平均) |
|---|---|---|---|---|
| 市場モメンタム 125日移動平均線との乖離率 | +2.25% | +12.81% | −1.16%〜+26.06% | 8 極度の恐怖 |
| 変動性 20日変動率(年率) | 19.14% | 27.13% | 12.47%〜42.59% | 89 極度の強欲 |
| 株価の強さ 20営業日の騰落率 | −0.96% | +3.75% | −10.66%〜+12.52% | 24 極度の恐怖 |
| 短期の過熱感 RSI(14日) | 50.81 | 56.91 | 34.58〜77.56 | 39 恐怖 |
| 為替(円) ドル円の20営業日の変化 | −1.55% | +0.84% | −3.64%〜+4.59% | 20 極度の恐怖 |
| 安全資産への選好 株と国債の20営業日の騰落率の差(pt) | +0.73 | +5.37 | −11.71〜+19.17 | 29 恐怖 |
29日の下げには配当落ちの分も含まれています。当サイトの指数は日経平均の値動きをそのまま使うため、「市場モメンタム」(125日移動平均線からの上振れ幅は2.25%)や「株価の強さ」(20営業日の騰落率は−0.96%)には、配当落ちによる下げもそのまま反映されています。
表7:米国株の指数の7つの内訳(29日の米国市場の終値時点)
| 米国株の指標(CNN公表値) | 点数 | 区分 |
|---|---|---|
| 市場モメンタム | 29 | 恐怖 |
| 株価の強さ | 0 | 極度の恐怖 |
| 株価の幅 | 0 | 極度の恐怖 |
| プット/コール | 34 | 恐怖 |
| 市場の変動性 | 50 | 中立 |
| ジャンクボンド需要 | 57 | 強欲 |
| 安全資産への需要 | 52 | 中立 |
米国株の指数は34から32に下がり、9月18日(30)以来の低い水準です。「プット/コール」が40から34へ、「ジャンクボンド需要」が64から57へと、ともに慎重な方向に動きました。
28日の値の更新について:9月29日朝の記事で、28日の日本株の指数を39とお伝えしましたが、現在の値は40です。当サイトの指数に使うドル円の日足は、東京市場の終了後もニューヨーク市場の終わり(日本時間の早朝)まで動くため、その後の確定で28日の「為替(円)」の点数が変わりました。市況アーカイブの値は、自動で確定値に更新されています。
⑤ きょう30日(水)の見どころ
表8:30日の見どころ
| 時刻(日本時間) | 予定 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 8:50 | 8月の鉱工業生産 | 国内の生産活動の動き |
| 取引終了時 | 日経平均の構成比の調整(リバランス) | アドバンテストの比率調整などで、構成銘柄に3,000億円弱の買い需要が生じるとの想定(フィスコ) |
| — | 9月末・四半期末 | 機関投資家の期末の持ち高調整 |
| 21:15 | 米9月のADP雇用統計 | 10月2日の雇用統計の前哨戦 |
| 21:30 | 米8月のPCEデフレーター/4〜6月期GDP確定値 | FRBが重視する物価指標。追加利上げの見方を左右する |
| 米国の取引終了後 | 米マイクロン・テクノロジーの決算 | AI向けメモリーの需要。日本の半導体関連株への影響 |
あす10月1日の朝8時50分には、日銀短観(9月調査)が発表されます。マイクロンの決算は、日本時間では1日の早朝になる見込みで、1日の東京市場の半導体関連株の手がかりになりそうです。
29日の日経平均は396円安でしたが、そのうち300円以上は配当落ちによるものでした。数字だけを見ると大きな下げですが、中身を分けると印象は変わります。
法人営業の実績を前年と比べるときも、大口の値引きや返品、決算期のずれといった特殊な要因を除いて比べないと、実力を見誤ることがあります。株価も同じで、権利落ちのような仕組みによる動きと、投資家の心理による動きは、分けて見たいところです。
一方で、29日は一時1,178円安まで売られ、TOPIXは1.72%下がるなど、配当落ちだけでは説明できない売りも出ていました。当サイトの日本株の指数は39で「恐怖」の区分が続いています。きょうは四半期末で、米国ではPCEとマイクロンの決算が控えています。
※運営者の個人的な見方であり、特定の金融商品の売買を勧めるものではありません。
⑥ 用語ミニ解説
表9:この記事に出てきた用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 配当落ち | 配当を受け取る権利がなくなった分、理論上、株価がその配当の分だけ下がること |
| 消費者信頼感指数 | 米国の民間調査機関コンファレンス・ボードが発表する、消費者の景気の見方を示す指数 |
| JOLTS(雇用動態調査) | 米労働省が発表する求人件数などの統計。労働市場の需給を示す |
| 日足(ひあし) | 1日ごとの始値・高値・安値・終値のデータ。ドル円は取引が24時間続くため、区切りの時刻まで値が動く |
今日のまとめ
- 権利落ち日の日経平均は396円安の65,481円27銭。配当落ちの分を除けば、下げは小幅でした。
- ただし一時は1,178円安まで売られ、TOPIXは1.72%安と、市場全体では売りが広く出ていました。
- 米国市場は弱い指標と長期金利の高止まりでダウ平均が131ドル安。当サイトの指数は日本39・米国32です。
- きょうは四半期末と日経平均のリバランス。夜には米PCE、その後にマイクロンの決算が控えています。
本記事は公開情報と当サイトの算出データに基づく情報提供であり、特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任で行ってください。