米CPI上振れで米国の恐怖と強欲指数は45から32の「恐怖」に、日本は52
日経平均は5日続落(10月15日)|Fear & Greed Index Japan
日米差(日本−米国):+20(日本株が上) 米国株の指数は1日で13ポイント下がり、「中立」から「恐怖」に移りました。日米差は+20です。
14日(水)夜に発表された米国の9月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+3.7%と市場予想を上回りました。物価の基調を示すコアCPIも予想を上回り、10月の追加利上げ観測が強まっています。ナスダックは511ポイント安と大きく下げ、CNNの米国株の恐怖と強欲指数は45から32に下がって「恐怖」の区分に入りました。日本では、日経平均がASMLの決算発表の後に下げに転じ、33円安と5日続落です。当サイトの日本株の指数は54から52に下がりました。この記事では、米CPIの中身、ASMLの決算、14日の東京市場と指数の内訳を整理し、TSMCの決算を控えたきょう15日の見どころをまとめます。
掲載日:2026年10月15日(木)朝|日本株の指数は14日の終値、米国株の指数は14日の米国市場の終値にもとづく値です。13日の日次の素値は、為替の点数の更新により約49となりました(14日の記事では約50)。表示される指数(54)に変わりはありません。
この記事のポイント
- 米9月CPIは前年比+3.7%(予想+3.6%)、コアCPIは前月比+0.3%(予想+0.2%)と、どちらも予想を上回りました。
- 10月の利上げを見込む確率は21.6%から43.7%に上昇(OANDAが引用したCMEの予測)。ナスダックは511.51ポイント(1.88%)安でした。
- 米国株の指数は45から32へ急低下。「市場モメンタム」が68から36に下がりました。
- 日経平均は33円安の67,744円29銭で5日続落。当サイトの日本株の指数は52で、15日に「中立」を保つ目安は素値が約37以上です。
① 米9月CPI:総合もコアも予想を上回る
表1:米9月消費者物価指数の結果(OANDA)
| 項目 | 結果 | 市場予想 | 前回(8月) |
|---|---|---|---|
| CPI(前年比) | +3.7% | +3.6% | +3.4% |
| CPI(前月比) | +0.6% | +0.6% | +0.4% |
| コアCPI(前年比) | +2.6% | +2.5% | +2.4% |
| コアCPI(前月比) | +0.3% | +0.2% | +0.3% |
OANDAによると、エネルギーが前月比+5.2%と大きく上がり、なかでもガソリンは+9.1%でした。中東情勢の緊張による原油高が、そのまま物価に表れた形です。コアCPIの中でも、中古車(+0.7%)、輸送サービス(+0.6%)、住居費(+0.4%)が上がっています。発表を受けて、CMEの予測で10月27〜28日のFOMCでの利上げの確率は21.6%から43.7%に上がり、12月までに少なくとも1回の利上げを見込む確率は94.9%となりました。
一方、リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、CPIは自身の予想を上回ったとしつつ、今月のFOMCを判断するにはさらに指標が必要だと述べています(みんかぶ)。15日3時に公表された地区連銀経済報告(ベージュブック)では、半数の地区で物価の上昇圧力が強まっていると報告されました。
② 14日(水)の米国市場:ナスダックが1.88%安
表2:14日の米国市場など(フィスコ・OANDA・みんかぶ)
| 項目 | 14日(米国時間) | メモ |
|---|---|---|
| ダウ平均 | 51,621.48ドル −48.62(−0.09%) | 続落。構成銘柄の約6割は上昇 |
| ナスダック総合 | 26,692.87 −511.51(−1.88%) | 金利上昇でハイテク株が売られる |
| WTI原油先物(11月限) | 95.04ドル +0.90(+0.96%) | 4日続伸 |
| ドル円 | 158円33銭 | 高値158円95銭、安値158円05銭 |
| シカゴ日経平均先物 | 66,745円 | 日本時間15日4時台 |
フィスコによると、CPIの上振れで早期の追加利上げへの懸念が再び強まり、長期金利の上昇を受けてハイテク株が売られました。エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン、アルファベットが下がった一方、ウォルマート(+3.45%)やユナイテッドヘルスなど、景気の影響を受けにくい銘柄は買われています。モルガン・スタンレーは7〜9月期の1株利益が予想を上回ったものの、債券・為替・商品の取引部門の収入が予想に届かず2.74%安、バンク・オブ・アメリカも4.76%安でした。
表3:米国株の指数の7つの内訳の変化
| 米国株の指標(CNN公表値) | 13日 | 14日 | 14日の区分 |
|---|---|---|---|
| 市場モメンタム | 68 | 36 | 恐怖 |
| 株価の強さ | 10 | 10 | 極度の恐怖 |
| 株価の幅 | 6 | 8 | 極度の恐怖 |
| プット/コール | 33 | 26 | 恐怖 |
| 市場の変動性 | 50 | 43 | 恐怖 |
| ジャンクボンド需要 | 75 | 59 | 強欲 |
| 安全資産への需要 | 72 | 46 | 中立 |
米国株の指数は45から32と、1日で13ポイント下がりました。「市場モメンタム」(68→36)と「安全資産への需要」(72→46)が大きく下がり、「ジャンクボンド需要」も75から59に下がっています。株価だけでなく、債券市場でも慎重な姿勢が強まったことを示しています。
③ 14日(水)の日本市場:ASML決算の後に下げに転じ5日続落
表4:10月14日の日本市場の主な数値(フィスコ・CRYPTO TIMES)
| 指標 | 水準 | メモ |
|---|---|---|
| 日経平均(始値) | 67,942.23円 | 前日比+164.71円 |
| 日経平均(終値) | 67,744.29円 | −33.23円(−0.05%)。5日続落 |
| 東証プライムの騰落 | 値上がり38.9%/値下がり57.4% | 値下がりが多い |
| 東証プライムの売買代金 | 約7兆4,507億円 | 概算 |
| 東京エレクトロン | 11,240円 | −315円(−2.73%)。日経平均を約159円押し下げ |
フィスコによると、前の4営業日で日経平均が約2,900円下がっていたことから、朝方は自律反発を狙った買いが先行しました。しかし、14時ごろにASMLが決算を発表すると、半導体関連が下げに転じ、日経平均もマイナス圏で終えています。中国の半導体メモリー会社が高性能品を計画していると伝わり競争への懸念が出たことや、夜の米CPIを前にした様子見も重荷でした。業種別では石油・石炭製品、非鉄金属が上がり、銀行、証券・商品先物、精密機器が下がりました。
表5:ASMLの決算(ビジネス+IT)
| 項目 | 7〜9月期(実績) | 10〜12月期(会社見通し) |
|---|---|---|
| 売上高 | 116.62億ユーロ(4〜6月期比+25%) | 142億〜152億ユーロ |
| 純利益 | 49.6億ユーロ | — |
| 粗利益率 | 57.5% | 約57% |
ASMLの7〜9月期の売上高は過去最高で、2026年通期の売上高見通しは440億〜450億ユーロです。クリストフ・フーケ最高経営責任者(CEO)は、AI投資を背景に顧客が装置の需要見通しを引き上げ続けているとし、2027〜28年は現在の供給能力では需要を満たせない見通しを示しました。CRYPTO TIMESは、決算は強かったもののおおむね予想の範囲内で、半導体株全体への売りが続いたと伝えています。先週のファーストリテイリングと同じく、良い決算でも株価が上がらない場面が続いています。
④ 当サイトの指数は54から52へ
表6:3営業日の平均の入れ替わり
| 3営業日の組み合わせ | 素値(概算) | 平均(表示される指数) | |
|---|---|---|---|
| 13日の指数 | 8日・9日・13日 | 55・59・49 | 54 |
| 14日の指数 | 9日・13日・14日 | 59・49・48 | 52 |
表7:日本株の指数を構成する6指標(14日終値時点)
| 指標 | 14日の実測値 | 過去1年の中央値 | 点数(3日平均、13日→14日) | 区分 |
|---|---|---|---|---|
| 市場モメンタム 125日移動平均線との乖離率 | +3.76% | +12.36% | 17→14(−3) | 極度の恐怖 |
| 変動性 20日変動率(年率) | 22.29% | 27.13% | 82→82(±0) | 極度の強欲 |
| 株価の強さ 20営業日の騰落率 | +2.91% | +3.53% | 47→49(+2) | 中立 |
| 短期の過熱感 RSI(14日) | 52.99 | 56.81 | 53→46(−7) | 中立 |
| 為替(円) ドル円の20営業日の変化 | +2.05% | +0.86% | 91→85(−6) | 極度の強欲 |
| 安全資産への選好 株と国債の20営業日の騰落率の差(pt) | +4.94 | +5.25 | 54→54(±0) | 中立 |
14日の素値は約48で、13日(約49)とほぼ同じ水準でした。日経平均の値動きは小さかったものの、「為替(円)」が91から85に、「短期の過熱感」が53から46に下がっています。ドル円の20営業日の変化は+2.05%と、13日の+3.21%から縮みました。「市場モメンタム」は14で、日経平均と125日移動平均線との差は+3.76%まで縮んでいます。
表8:15日の素値と、表示される指数の関係(概算)
| 15日の素値 | 15日に表示される指数(3営業日の平均) | 区分 |
|---|---|---|
| 10 | 36 | 恐怖 |
| 25 | 41 | 恐怖 |
| 37 | 45 | 中立 |
| 50 | 49 | 中立 |
| 67 | 55 | 強欲 |
| 85 | 61 | 強欲 |
15日の指数は、13日・14日・15日の3営業日の平均です。「中立」以上にとどまるには15日の素値が約37以上必要で、それを下回ると「恐怖」の区分に入ります。「強欲」に戻るには約67以上が必要で、平均に低めの日が2日並んだため、すぐに「強欲」に戻るのは難しい計算です。素値は概算のため、境目の前後では1ポイントずれることがあります。
⑤ きょう10月15日(木)の見どころ
表9:15日の見どころ(フィスコ・ダイヤモンド・ザイ)
| 時間(日本時間) | 項目 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 寄り付き | シカゴ日経平均先物は66,745円(4時台) | ナスダック安を受けた半導体関連の動き |
| 日中 | 8月の機械受注 | 国内の設備投資の動き |
| 日中 | TSMCの決算 | AI向け半導体の需要と年間見通し |
| 21:30 | 米9月の小売売上高・生産者物価指数(PPI)、新規失業保険申請件数 | CPIに続く物価と消費の確認 |
| 終日 | G20財務相・中央銀行総裁会議 | 為替や世界経済に関する発言 |
きょうは日本時間の日中にTSMCが決算を発表し、夜には米国の小売売上高と生産者物価指数が続きます。バーキン総裁は、PPIで判断材料が増えると述べていました。CPIで強まった利上げ観測が、PPIでさらに強まるのか、それとも落ち着くのかが、今夜の焦点です。
米国のCPIでは、ガソリンが1か月で9.1%上がっていました。原油高は、こうして時間をおいて物価の数字に表れてきます。
法人営業でも、仕入れ値が上がったとき、すぐに販売価格に反映できる商品と、契約の都合で数か月遅れてしか反映できない商品があります。先に原価が上がり、少し遅れて売値が追いつくので、その間の利益は一時的に削られます。物価の統計も、原油の値上がりからどのくらい遅れて表れるかを意識して見ると、流れがつかみやすくなります。
米国株の指数は32と「恐怖」に入り、日本株の指数は52で「中立」です。日米の差は+20と大きいままですが、米国の利上げ観測は日本株にも響きます。きょうのTSMCの決算と米PPIを、落ち着いて確認したいと思います。
※運営者の個人的な見方であり、特定の金融商品の売買を勧めるものではありません。
⑥ 用語ミニ解説
表10:この記事に出てきた用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| コアCPI | 値動きの大きい食品とエネルギーを除いたCPI。物価の基調を見るために使われる |
| CMEの利上げ確率 | 米国の金利先物の価格から計算した、FOMCで利上げが決まる確率の市場予想 |
| 自律反発 | 大きく下がった後、特別な材料がなくても買い戻しなどで株価が戻ること |
| 日次の素値 | 当サイトの用語。3営業日の平均をとる前の、その日だけの指数の値 |
今日のまとめ
- 米9月CPIは前年比+3.7%と予想を上回り、10月の利上げ観測が強まりました。
- ナスダックは1.88%安。米国株の指数は45から32の「恐怖」に下がりました。
- 日経平均はASML決算の後に下げに転じ、33円安で5日続落。日本株の指数は52です。
- きょうはTSMCの決算と、夜の米小売売上高・PPIに注目です。
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