日経平均は前場で一時1,900円超安、日銀は金利据え置き
恐怖と強欲指数は19、極度の恐怖は7営業日目(10月30日)|Fear & Greed Index Japan
日米差(日本−米国):−16(米国株が上) 日本株の指数は3日続けて上がりましたが、「極度の恐怖」の区分は7営業日目です。日米差は−16です。
日本銀行は30日の金融政策決定会合で、政策金利を1.25%に据え置きました。同時に、基調的な物価上昇率が「2%の物価安定の目標と概ね整合的な水準」になったとの判断を示しています。一方、東京市場は荒れた展開です。29日の日経平均は705円高の64,659円47銭と3日続伸しましたが、30日の前場は、インテルの時間外での急落や米国のAI関連株安を受けて一時1,900円超下げました。当サイトの日本株の恐怖と強欲指数(29日終値時点)は17から19に上がりましたが、まだ「極度の恐怖」の区分です。この記事では、日銀会合の結果、米大手ハイテクの決算と米国市場、29日と30日前場の東京市場、指数の内訳を順に整理します。
掲載日:2026年10月30日(金)昼|日本株の指数は29日の終値、米国株の指数は29日の米国市場の終値にもとづく値です。30日の値動きは、前場の終了時点までの報道にもとづいています。「極度の恐怖」の区分のあとに日経平均がどう動いたかは、当サイトの過去データの分析もご覧ください。
この記事のポイント
- 日銀は政策金利を1.25%に据え置き。投票は8対1で、高田委員が1.5%への利上げを提案して否決されました。
- アマゾンはクラウド(AWS)が39%増でしたが、売上高と1株利益が予想に届かず、時間外で下落。インテルも時間外で一時20%超下げました。
- 29日の日経平均は705円28銭高の64,659円47銭。30日の前場は1,639円69銭安の63,019円78銭で終えました。
- 当サイトの日本株の指数は17から19へ。30日に「恐怖」の区分に戻るには、素値が約33以上必要です。
① 日銀会合:金利は据え置き、物価は「2%目標と概ね整合的」
表1:10月の日銀会合の結果(OANDA証券・共同通信)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 政策金利 | 1.25%で据え置き(9月に利上げ済み) |
| 投票 | 8対1。高田委員が1.5%への利上げを提案し、反対多数で否決 |
| 物価の判断 | 基調的な物価上昇率は「2%の物価安定の目標と概ね整合的な水準」。7月より一歩進んだ表現 |
| 物価の見通し(コアCPI) | 2027年度は+2.6%(7月時点は+2.4%)に引き上げ。2026年度+2.5%、2028年度+2.0%は据え置き |
| ETFの売却 | 売却のペースを年間約8,600億円(簿価)に引き上げ(従来は約3,300億円)。2027年1月から |
| ドル円 | 発表後に円高が進み、12時14分に157円11銭まで下げる |
日銀は、物価が目標に「到達した」という認識を示しつつ、金利は動かしませんでした。利上げを主張した委員が1人いたことや、物価見通しの引き上げもあり、市場では次の利上げを意識した円買いが入っています。植田総裁の記者会見は15時30分からの予定です。12月以降の利上げにどこまで触れるかが、為替と株式の次の材料になります。
② アマゾン・インテルの決算と米国の経済指標
表2:米大手ハイテクの決算と株価(Yahoo Finance・ロイター・Forbes JAPAN・財経新聞)
| 項目 | 内容 | 株価の反応 |
|---|---|---|
| アマゾン | 売上高は2,019億ドル(前年同期比12%増)で予想(2,022億ドル)をわずかに下回る。1株利益も1.89ドルと予想(1.97ドル)に届かず。AWSは460億ドルで39%増と加速 | 時間外で下落 |
| インテル | 10〜12月期の売上高見通しが市場予想を下回る(ロイター) | 時間外で一時20%超安 |
| アルファベット(前日発表) | AI投資の資金負担が懸念される | 29日の通常取引で12%超安 |
表3:米国の経済指標(OANDA証券)
| 指標(米国、29日発表) | 結果 | 市場予想 | 前回 |
|---|---|---|---|
| 7〜9月期の実質GDP(前期比年率) | +3.4% | +3.2% | +2.2% |
| 個人消費(前期比年率) | +3.8% | +3.4% | +3.8% |
| 9月のPCE価格指数(前年比) | +3.6% | +3.6% | +3.4% |
| 9月のコアPCE価格指数(前年比) | +3.1% | +3.1% | +3.0% |
米国の景気は予想より強く、物価は予想通りでした。欧州中央銀行(ECB)も29日、中銀預金金利を2.50%に据え置いています。ラガルド総裁は2027年2月に退任すると発表されました。決算では、マイクロソフトに続いてアマゾンもクラウドは伸びましたが、市場の関心は「AIへの巨額投資が利益と現金に結びつくか」に移っています。アルファベットやインテルが大きく売られたのは、その警戒感の表れといえます。
③ 29日(木)の米国市場:ダウは4日ぶりに反落
表4:29日の米国市場(財経新聞・時事通信)
| 項目 | 29日(米国時間) | メモ |
|---|---|---|
| ダウ平均 | 52,342.56ドル −132.54 | 4日ぶりに反落 |
| ナスダック総合 | 26,184.72 −365.12(−1.38%) | AI関連が売られる |
| シカゴ日経225先物 | 64,900円 | 大阪の日中取引比90円安 |
アルファベットの決算を受けてAIへの巨額投資への警戒感が広がり、寄り付きから下げました。キャタピラーの下落も重荷になっています。
表5:米国株の指数の7つの内訳の変化
| 米国株の指標(CNN公表値) | 28日 | 29日 | 29日の区分 |
|---|---|---|---|
| 市場モメンタム | 43 | 35 | 恐怖 |
| 株価の強さ | 30 | 32 | 恐怖 |
| 株価の幅 | 30 | 35 | 恐怖 |
| プット/コール | 27 | 30 | 恐怖 |
| 市場の変動性 | 50 | 50 | 中立 |
| ジャンクボンド需要 | 54 | 50 | 中立 |
| 安全資産への需要 | 17 | 10 | 極度の恐怖 |
米国株の指数は36から35に下がりました。「市場モメンタム」が43から35に、「安全資産への需要」が17から10に下がった一方、「株価の幅」は30から35に上がっています。
④ 東京市場:29日は3日続伸、30日の前場は急反落
表6:東京市場の主な数値(OANDA証券)
| 指標 | 水準 | メモ |
|---|---|---|
| 日経平均(29日終値) | 64,659.47円 | +705.28円。3日続伸。14時過ぎに一時800円超高 |
| TOPIX(29日終値) | 4,003.28 | +11.57。前場の下げから切り返す |
| 東証プライムの売買代金(29日) | 約13兆8,600億円 | TOPIXの銘柄入れ替えに伴う売買で膨らむ |
| 日経平均(30日前引け) | 63,019.78円 | −1,639.69円。一時62,700円台まで下げる |
| TOPIX(30日前引け) | 3,951.23 | −52.05 |
29日は、アドバンテストが上方修正を受けて6%上がり、1銘柄で日経平均を約453円押し上げました。10時過ぎには韓国のサムスン電子の決算を受けた下げで一時マイナス圏に沈みましたが、後場に切り返しています。30日の前場は一転して、インテルの時間外の急落と米国株安を受けてAI関連株が売られました。インテルとの関係が深いとされるイビデンはストップ安になっています。一方で、空運や海運、小売は上がり、コナミグループは上方修正と増配で急騰しました。売られているのはAI・半導体関連が中心です。
⑤ 当サイトの指数は17から19へ
表7:3営業日の平均の入れ替わり
| 3営業日の組み合わせ | 素値(概算) | 平均(表示される指数) | |
|---|---|---|---|
| 28日の指数 | 26日・27日・28日 | 15・17・20 | 17 |
| 29日の指数 | 27日・28日・29日 | 17・20・21 | 19 |
表8:日本株の指数を構成する6指標(29日終値時点)
| 指標 | 29日の実測値 | 過去1年の中央値 | 点数(3日平均) |
|---|---|---|---|
| 市場モメンタム 125日移動平均線との乖離率 | −1.72% | +12.00% | 2 極度の恐怖 |
| 変動性 20日変動率(年率) | 29.84% | 27.87% | 38 恐怖 |
| 株価の強さ 20営業日の騰落率 | −2.75% | +3.12% | 14 極度の恐怖 |
| 短期の過熱感 RSI(14日) | 47.06 | 55.51 | 14 極度の恐怖 |
| 為替(円) ドル円の20営業日の変化 | +0.26% | +0.80% | 41 恐怖 |
| 安全資産への選好 株と国債の20営業日の騰落率の差(pt) | −5.07 | +4.53 | 10 極度の恐怖 |
29日の素値は約21と、4日続けて上がりました。RSIの点数が28日の13から23に上がったことが大きく、株価の続伸を反映しています。一方、「安全資産への選好」の点数は12から10に、「株価の強さ」は17から13に下がっています。
表9:30日の素値と、表示される指数の関係(概算)
| 30日の素値 | 30日に表示される指数(3営業日の平均) | 区分 |
|---|---|---|
| 5 | 15 | 極度の恐怖 |
| 10 | 17 | 極度の恐怖 |
| 15 | 19 | 極度の恐怖 |
| 33 | 25 | 恐怖 |
| 50 | 30 | 恐怖 |
30日の指数は、28日・29日・30日の3営業日の平均です。「恐怖」の区分に戻るには30日の素値が約33以上必要ですが、前場の下げ幅を考えると、届く可能性は低いとみられます。素値が約15を下回ると、表示される指数は19から下がります。素値は概算のため、境目の前後では1ポイントずれることがあります。
⑥ 30日(金)のこの後の見どころ
表10:30日のこの後の見どころ(OANDA証券ほか各社の報道)
| 時間(日本時間) | 項目 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 後場 | AI・半導体株の下げが続くか | 前場の安値(62,700円台)を割るかどうか |
| 15:30 | 植田総裁の記者会見 | 12月以降の利上げへの言及と、円相場の反応 |
| 大引け後 | キオクシアの決算 | AI向けの記憶装置の需要の見通し |
| 週末 | 当サイトの週間まとめ | 10月26日〜30日の1週間を振り返ります |
今週は、決算のたびに相場の向きが変わる1週間でした。マイクロソフトで上がり、アルファベットとインテルで下がる。同じ「AI」でも、数字の中身によって評価がはっきり分かれています。
法人営業でも、年末の大口受注が決まるまでは、取引先の担当者が一言発するたびに見通しが揺れます。そんな時期ほど、一つの話に振り回されず、全体の数字を落ち着いて見るようにしていました。
当サイトの指数は19と少しずつ持ち直していましたが、30日はまた下がりそうです。週末に、1週間の動きをまとめてお届けします。
※運営者の個人的な見方であり、特定の金融商品の売買を勧めるものではありません。
⑦ 用語ミニ解説
表11:この記事に出てきた用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 展望レポート | 日銀が年4回公表する「経済・物価情勢の展望」。景気と物価の見通しを示す |
| コアCPI | 生鮮食品を除いた消費者物価指数。日銀が物価の見通しで使う |
| PCE価格指数 | 米国の個人消費支出の物価指数。FRBが物価目標の基準として重視する |
| 前引け | 午前の取引(前場)の終わりの値段 |
今日のまとめ
- 日銀は金利を1.25%に据え置き、物価は2%目標と概ね整合的と判断しました。
- アマゾンとインテルは時間外で下落、アルファベットは12%超安でした。
- 29日の日経平均は3日続伸、30日の前場は1,639円安です。
- 当サイトの日本株の指数は19。「極度の恐怖」は7営業日目です。
本記事は公開情報と当サイトの算出データに基づく情報提供であり、特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任で行ってください。