日本と米国の恐怖と強欲指数はどれくらい連動している?
米国の変化は翌日の日本に表れやすい|Fear & Greed Index Japan
日米差(日本−米国):−3(米国株が上) 当サイトのダッシュボードでは、日本株と米国株の指数を並べて表示しています。
当サイトのダッシュボードでは、日本株の恐怖と強欲指数と、CNNが公表している米国株の指数を並べて表示しています。「米国が恐怖なら日本も恐怖」と考えがちですが、実際の数値を並べてみると、2つの指数が大きく離れる日も少なくありません。この記事では、2026年9月7日から11月2日までの37営業日のデータを使い、日米の指数がどのくらい連動しているのかを確かめました。同じ日の動きと、1日ずらした動きを比べると、時差による興味深い特徴が見えてきます。
掲載日:2026年11月3日(火)|分析期間:2026年9月7日〜11月2日(37営業日、当サイトの記録)。日本株版の計算の仕組みは恐怖と強欲指数とは?、6つの内訳は指標の読み方で解説しています。
この記事のポイント
- 日米の指数の水準の相関は0.65。大きな流れは似ていますが、同じ区分だった日は37日中18日だけでした。
- 同じ日の変化の相関は0.25と弱め。一方、米国の変化と翌営業日の日本の変化の相関は0.53でした。
- 米国市場は東京市場が閉まったあとに開くため、米国の市場心理は1日遅れて日本に届きやすいと考えられます。
- 日本と米国の差は、最大で+24(10月8日)から-18(10月27日)まで開きました。
① そもそも2つの指数は何が違うのか
表1:日本株版と米国株版の主な違い
| 項目 | 日本株(当サイト) | 米国株(CNN) |
|---|---|---|
| 対象 | 日本株(日経平均などをもとにした指標) | 米国株(S&P500などをもとにした指標) |
| 指標の数 | 6つ(為替を含む) | 7つ(株価の幅、プット/コール、ジャンクボンド需要などを含む) |
| 表示の計算 | 6指標を合成した値の3営業日の平均 | 7指標をもとにCNNが算出 |
| 基準となる時点 | 東京市場の終値(取引時間中は暫定値) | 米国市場の終値 |
2つの指数は、どちらも0〜100で市場の気持ちを表しますが、使っている指標も計算の方法も違います。日本株版には「為替(円)」が入っており、円安が進むと点数が上がりやすくなります。また、1日だけの振れを抑えるため、3営業日の平均を表示しています。実際、期間中の1日あたりの変化(絶対値の平均)は、日本が3.2ポイント、米国が4.4ポイントで、日本のほうが穏やかに動いていました。
② 約2か月の推移を並べてみる
表2:期間ごとの日米の指数の平均(当サイトの記録から計算)
| 期間 | 日本の平均 | 米国の平均 | 差(日本−米国) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 9月7日〜30日 | 30.9 | 33.1 | −2.3 | 日米とも「恐怖」前後で推移 |
| 10月1日〜13日 | 56.6 | 41.4 | +15.2 | 日本だけが「強欲」へ上昇 |
| 10月14日〜23日 | 29.2 | 24.4 | +4.9 | 日米そろって「極度の恐怖」へ |
| 10月26日〜11月2日 | 17.5 | 29.5 | −12.0 | 米国が先に持ち直し、日本は底ばい |
9月は、日米とも「恐怖」の区分の前後で、似た水準で推移しました。ところが10月初めには、日本の指数だけが67まで上がり「強欲」の区分に入った一方、米国は40台にとどまっています。この時期の日本株版では、「為替(円)」の点数が80〜90台まで上がっており、円安が日本の指数を押し上げていました。
10月半ばからは日米そろって下がり、10月23日にはどちらも17と、同じ「極度の恐怖」の水準に並びました。その後は米国の指数が先に30台へ持ち直したのに対し、日本は10月26日に14まで下がり、20前後で底ばいが続いています。大きな流れは似ていても、局面によって日米の差は大きく開くことが分かります。
③ 同じ日より「1日ずらす」と連動が強まる
表3:日米の指数の連動の強さ(37営業日、変化は前営業日との差。当サイトの記録から計算)
| 比べ方 | 相関係数 | 同じ向きに動いた日 | 逆向きに動いた日 |
|---|---|---|---|
| 日米の指数の水準 | 0.65 | — | — |
| 同じ日の日米の変化 | 0.25 | 19日 | 15日 |
| 米国の変化 → 翌営業日の日本の変化 | 0.53 | 20日 | 13日 |
同じ日付どうしで日米の指数の変化を比べると、相関係数は0.25と弱く、同じ向きに動いた日(19日)と逆向きに動いた日(15日)がほぼ半々でした。ところが、米国の指数の変化と、その翌営業日の日本の指数の変化を比べると、相関係数は0.53まで高まり、同じ向きに動いた日が20日、逆向きは13日でした。
理由は時差にあります。米国市場は、日本時間の夜から翌朝にかけて取引されます。そのため、ある日の米国市場の動きは、東京市場ではその日のうちではなく、翌営業日の取引に反映されます。米国で不安が高まった日の翌朝に、日本株が売られて始まるというおなじみの流れが、指数の数字にも表れているといえます。
相関係数は、2つの数値がどれだけ同じように動くかを−1〜1で表したものです。1に近いほど同じ向きに動きます。今回の分析は約2か月(37営業日)と短い期間のデータで、相関は因果関係を示すものではありません。期間を変えると結果が変わる可能性があります。
④ 日米の指数をあわせて見るコツ
表4:日米の指数をあわせて見るときのコツ(当サイトの考え方の整理)
| 場面 | 読み方の例 |
|---|---|
| 朝、日本株の取引が始まる前 | 前夜の米国の指数の変化は、その日の日本の指数の方向を考える手がかりになる |
| 日米の差が大きく開いたとき | 日本だけの要因(為替、国内の決算や金融政策)が効いている可能性がある |
| 日米がそろって「極度の恐怖」 | 世界的に不安が広がっている局面。日本だけの材料では流れが変わりにくい |
| 米国が先に持ち直したとき | 日本が後から追いつくとは限らない。日本の内訳(6つの指標)を確認する |
ダッシュボードで日米の指数を並べているのは、2つを比べることで「今の不安は世界共通なのか、日本だけなのか」が見えてくるからです。今回のデータでは、10月初めの日本の「強欲」は円安という日本特有の要因によるもので、10月半ばの下落は日米共通の不安でした。朝の市況ブログでも、前夜の米国市場と日本の指数を並べて解説していますので、あわせてご覧ください。
法人営業では、取引先の本社の方針が、少し遅れて支店の発注に表れることがよくありました。本社の動きを先に知っておくと、支店の担当者と話すときに一歩先の提案ができました。
日米の指数も、米国の動きが1日遅れて日本に届く関係が、数字ではっきり出たのは作っている側としても発見でした。ただ、10月初めのように日本だけが別の動きをする時期もあります。
米国の指数は「先に届く手紙」くらいに受け止めて、日本の内訳とあわせて読むのがよさそうです。
※運営者の個人的な見方であり、特定の金融商品の売買を勧めるものではありません。
⑤ 用語ミニ解説
表5:この記事に出てきた用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 相関係数 | 2つの数値の動きの似かたを−1〜1で表したもの。1に近いほど同じ向き、−1に近いほど逆向きに動く |
| CNN Fear & Greed Index | 米CNNが公表している、米国株の市場心理を0〜100で表す指数 |
| 時差 | 日本時間と米国時間の差。米国市場は日本時間の夜から翌朝にかけて取引される |
| 区分 | 当サイトの指数の5つの段階(極度の恐怖・恐怖・中立・強欲・極度の強欲) |
まとめ
- 日米の指数は大きな流れは似ていますが、同じ区分だった日は37日中18日でした。
- 同じ日の変化の連動は弱く(相関0.25)、米国の変化と翌営業日の日本の変化のほうが強く連動しました(相関0.53)。
- 米国の市場心理は、時差によって1日遅れて日本に届きやすいと考えられます。
- 日米の差が大きいときは、為替など日本だけの要因を確かめるのが有効です。
本記事は当サイトの算出データに基づく情報提供であり、特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。過去のデータは将来の成果を保証するものではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任で行ってください。